当たり前のことをしっかりと「大浜みやこ」のこだわりを守るために

手稲地区組合員

澤谷 隆洋さん

連日続いた雨が上がり雲一つない真っ青な夏空の下、遠くに風力発電の風車がゆっくりと回っている。

「風が強い土地柄なんです。あまり風が強すぎると色々と苦労もあるのですが、この砂地が広がる場所でないとね」

澤谷隆洋さん(手稲地区組合員)の元を訪れると、黄色い花が咲く大浜みやこの畑へと案内してくれた。澤谷さんは、石狩市花畔で大浜みやこを生産・出荷する他、JAいしかり地物市場『とれのさと』で販売するアスパラガスなどの野菜も生産している。

「大浜みやこの特徴である高い糖度を出すために追肥は欠かせないのだけど、そうすると他の草も元気になっちゃうのが大変かな」

そう笑うと、畑へと入りかぼちゃを選びハサミを入れる。砂質土の畑の上で完熟してから収穫するのも大浜みやこの特徴だ。畑の外で待つもう一人に投げて渡す収穫方法が興味深く、聞いてみると、「畑の場所によっては真ん中に中継役も入るんだよ」との話に驚かされた。

収穫したかぼちゃは倉庫で丁寧に磨いた後、数日間風に当てて乾燥させる。選果には重さ、傷の有無等厳しい基準があり、すべてを満たしたかぼちゃだけに大浜みやこの証であるシールを貼り、ようやく出荷へと至る。このシールは厳重に管理され、使った数を申告するほどの念の入れようである。

「大浜みやこの生産者として、当たり前のことをしっかりと守ってやっているだけです。まだまだですけど」

生産者皆で確立したブランドを守り抜く決意と誇りが、どこまでも謙虚な言葉と並んだかぼちゃからひしひしと感じられた。