一粒の種籾から八十八の手間をかけ黄金色に育った稲穂をいよいよ収穫

地区組合員

南里 正博さん

“実るほどこうべを垂れる稲穂かな”の言葉通り豊かに実った稲は、その重みで穂が垂れ下がっていた。

「この時期の黄金色の田園風景も綺麗だけど、田植えが終わり、水を張った田んぼも綺麗なんだよ。道路から写真を写している人がいるくらい」

南里正博さん(南地区組合員)の田んぼでは、ななつぼしを柱に4種類のお米を育てている。収穫間近の立派に育った稲は4月末にハウスで播種を行ない、5月20日に田植えを行なったもの。田植え後は深水にするのだが、今年は特に春の雨が少なく水源となる簾舞川の水も少なかったため、雑草に苦労したという。また9月6日の台風11号の影響で稲が半倒伏の被害にも見舞われていた。

「このくらいだったら、コンバインで収穫も出来るし稲刈りにさほど影響はないから良かったよ。出来栄えはまあまあかな。過去に収穫間際の強風で稲が倒れてしまい、手作業での収穫になって雪が降ってからも収穫をしなければならない大変な時もあったんだよ」

米作りは自然の影響を多大に受けるうえ、八十八の手間がかかると言われている。複雑な作業と膨大な仕事量が必要となるためだ。収穫後も乾燥機で20時間ほど乾燥させるため燃料費も軽視できない。こんなにも手間ひまがかかるなか続けられるのは、「今年も美味しいね」と毎年買いにきてくれるお客さんがいてくれるから。

より美味しいお米を届けるため現状に満足せず、食味を良くするため探究し続ける、心がこもったお米。一粒一粒大切にいただきたい。