協同組合学公開講座『北大を散策しながら農協を考える』

 

2019年度第2回講座は、国の重要文化財にも指定されている「札幌農学校第2農場」を見学しました。

7月27日(土)、この日の気温は30℃を超える炎天下。50名の組合員の皆さんが参加し、第1部では、札幌農学校第2農場の見学。第2部では、「ミルク」をテーマとした講義を受講しました。
第2農場の歴史について説明する近藤誠司北大名誉教授(中央)
第1部では、最初に近藤誠司北海道大学名誉教授から札幌農学校第2農場の歴史など農場全体について説明いただき、その後グループに分かれて、ボランティアスタッフの皆さんに解説していただきながら模範家畜房(モデルバーン)、牡牛舎、穀物庫(コーンバーン)などの歴史ある建築物を見学しました。
建築物の構造等についてボランティアスタッフの皆さんに分かりやすく解説していただきました。
日本最古の洋式農業建造物の1つ穀物庫(コーンバーン)は、鼠害防止のため、高床構造になっています。
豚などの飼料を煮込んでいた竃場(かまば)は、札幌軟石で出来ています。2018年9月に発生した北海道胆振東部地震では屋根に突き出た煙突の石組みがずれる等の被害がありました。重要文化財は修復するにも工法や材料の制限が厳しいとのこと。
第2部は、農学部に場所を移し、北海道大学大学院農学研究院 清水池義治先生による「ミルク:牛乳の生産・加工・流通に密接に関わっている農協」と題する講義を受講しました。講義では酪農家同士で助け合う仕組みである「共同販売」の必要性について説明されるなど、農協の役割についての理解も深まる内容であり、受講者からはTPP発効による北海道の酪農への影響や指定生乳生産者団体、牛乳の低温殺菌・高温殺菌についてなど、多くの質問があがり、牛乳やバターなど身近な乳製品への感心度の高さがうかがえました。
清水池義治先生による講義
JAさっぽろの組合員の皆さんを対象とした「協同組合学公開講座」は、「北大マルシェ」や「北大総合博物館」の見学など10月まで毎月開催されます。